3/15【祈年祭】斎行

【祈年祭‐きねんさい】『としごいのみまつり』とも申し上げます。また、斎行する時季から単純に『春祭り』と言ったりもします。万世一系の皇室の弥栄を祈念するとともに、この年の五穀豊穣を始めとする工業・商業、萬(よろず)の生業(なりわい)に於いて無事故、無災害であり、氏子・崇敬者が無病息災・家内安全で過ごせるようご祈念を致します。当宮の祈年祭では、『古式破魔弓神事』が恒例となっております。今年は新型コロナウィルスの世界的な蔓延によって、多くの死者や様々な催しの自粛など何かと気持ちが沈む情勢となっております。さてここで、日本最古の書物である古事記を紐解いてみますと、今回の状況に実に似通った記述が見られます。第十代の崇神天皇の御代に疫病が大流行し、国民のほとんどが死んでしまいました。天皇がお悲しみになられていると、夢に『大物主大神‐おおものぬしのおおかみ』が現れて「この疫病の大流行は、私の祟りに依るものである。」「私を意富多多泥古(おおたたねこ)という人物に祀らせなさい。そうすれば、祟りも収まり国は安らかに治まるであろう。」という神託が降りました。そこで天皇は、あらゆる手を尽くしてその大物主大神の男系の子孫である、意富多多泥古を見つけ出して祀らせます。するとたちどころに疫病は止み、再び国が栄えたという事です。今回、この令和の御代における新型コロナの大流行でも、全国各地の神社では『感染症流行沈静祈願』が執り行われております。当宮でもこの祈年祭に併せて斎行致しました。自然災害や疫病など人間の力ではコントロール出来ないものを古代の人は“祟り”と畏れていたのかもしれません。どうか一日でも早く収束する事を願います。

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