内はほらほら、外はすぶすぶ。

毎年恒例の干支絵馬の奉納です。今年は庚子(かのえね)年という事で、テーマは「内はほらほら、外はすぶすぶ。」でございます。何の呪文?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、これは古事記にある神話での鼠さんの言葉でございます。出雲大社が有名な大国主命(おおくにぬしのみこと)が根の国(黄泉と地上の間にあると考えられている)を訪問され、そこでスセリ姫に出会い求婚するのですが、お父さんであるスサノオの命に婿として相応しいかと様々な試練を与えられます。最後には、鳴り鏑(なりかぶら)という矢を野原に射入れて、それを取りに行かせておいて火を放ち、野焼きにしてしまうというえげつない試練が課せられます。迫り来る炎に包まれて絶体絶命!という時にいつの間にか出て来た鼠がこう聞かせ、大国主命を助けたのでした。つまりこの呪文の様な言葉は、「内部はうつろで、外部はすぼんでいる。」といったような意味になります。それを聞いた大国主命は地面を強く踏み抜いて崩れ落ちた穴に身を隠し、炎が通り過ぎるまで隠れる事が出来たのです。そしてさらに、鼠の子供が見つけて遊んでいた鳴り鏑もGetし、見事この試練を乗り越えてみせるのでした。この時の様子を絵馬に描いたものです。

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